ABMに 予測分析 を活用する前におこなうべき6つの作業

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ABMに予測分析を活用する前におこなうべき6つの作業

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※2017年12月に、Mintigo社のブログページにゲストとして記事を提供しました。原文はこちらをご覧ください。

BtoBマーケティングにおける予測分析の活用、それは今まで自社がターゲットとして認知していなかった新たなアカウントや、現在まさに購買の準備を進めている最中の購買担当者を発掘することを可能にします。また、キャンペーンの応答率を3倍向上させることも不可能ではありません。そのように聞くと魅力的なものに感じる方も少なくないでしょう。

予測分析は、確かに既知のABMに変革をもたらすものかもしれません。しかし、今までに「新技術」として期待されたものの、期待通りの効果を出せず、広く浸透することがなかった技術が山ほどあったことも事実で、慎重になるべきだと考えています。ここでは予測分析の導入を成功に導くために、導入前におこなうべき簡単な6つステップ紹介します。

1. First Party Data(=第1者データ)を整理する

CRMやMA、ERPなど、企業内には顧客情報を管理するシステムが複数存在し、各システムに散在するコンタクト情報が連結していないということを多く見受けます。予測分析を用いることで、購入準備中のアカウントを特定できたとして、自社が保有するコンタクト(担当者)情報の中からそのアカウントに紐づく情報を識別できるようすべきで、そのためにはすべてのシステムを紐付ける識別子が必要です。

2. 販売およびマーケティング戦略を開発する

業界や企業、担当者の業務内容により、求める情報(効果的なアクション)は異なります。たとえばオファーリングやコンテンツの内容、プロモーション方法、特定の業種に向けたユースケース、デモや試用版など、提供できる情報や提供するチャネルも様々です。仮にHotなアカウントを特定でき、そのアカウント内の担当者のメールアドレスや電話番号も把握している場合に、次に取るべきアクションを明確にしておくべきです。

3. 事業開発担当者を―からの会話できるように訓練する

顧客が自社のサービスや商品の購買に通ずる課題を認識し、能動的に情報収集をおこなうインバウンドリードの場合、顧客企業の担当者は自社に対して好意的で、積極的な姿勢で話を聞きます。一方で自社が能動的にアクションを取ることで発掘したアウトバウンドリードの場合、顧客企業の担当者がはじめから自社の商品に関心を持っているとは限りませんし、中には課題を認識していない担当者がいる、ということも想定しなくてはなりません。要は予測分析により、Hotな(購買する可能性が高い)アカウントを特定できたとしても、そのアカウントの担当者が自社に対して好意的とは限らない、ということです。

そしてこの記事をお読みの方々が所属する企業の中には、営業リードの多くをインバウンドから創出できている企業もあるかと思います。そのように、自社のインサイドセールスチームや営業担当者がアウトバウンドでのアプローチに慣れていない場合、ターゲットアカウントの購買担当者の関心が低い段階からアプローチや商談をする準備(訓練)をしておく必要があります。

4. 積極的にパーミッションを管理する

予測分析により、Hotだと特定した企業の中には、御社内に担当者情報を全く保有していない企業もあるでしょう。要はアプローチ先の企業の中に、御社から情報提供をおこなうためにコンタクトすることを承諾している人物が一人もいない、ということです。

しかし予測分析により、Hotだと特定していますので、御社の営業担当者は、ターゲット企業内において、自社のサービスや商品の選定における中心人物となりうる担当者を調査し、能動的にアクションを取ることでしょう。

ここで重要となるのが、御社の個人情報の管理が、2018年5月から施行するGDPRに準拠しているかどうかということです。GDPR施行後は、2回目以降、電話やメールでコンタクトすることに対し、顧客の同意(パーミッション)を得て、同意を得たという情報を適切に管理する必要があります。つまり初回のアプローチ以降も、継続的にコミュニケーションを取るためには、電話、メール、広告、ソーシャルメディアなど、自社が使用する予定のあるすべてのチャネルにおいて、顧客から取得したパーミッションを、集中的かつ体系的に管理することが必要不可欠となります。

5. 厳しいテスティング方法を実装する

予測分析は、過去に御社のサービスや商品を購入したことがある企業の特性や共通点などを「分析」し、今後御社のサービスや商品を購入する可能性が高い企業を「予測」します。そして、予測に対して結果をフィードバックすることで、システムが学習し、分析や予測の精度を向上します。要は実装されたキャンペーンが功を奏したとしても、その理由がわからなければ、キャンペーンモデルの改良も推測でおこなうしかありません。

テストの際の定量的なレポートと定性的フィードバックの両方を分析するための、適切な方法を確立しているかどうか、確認してください。

6. 社内の期待値をコントロールしておく

予測分析は決して完璧ではありません。データ分析を開始し、早期に成果が出る可能性もありますが、最初の数か月は何も起こらないままで過ぎてしまう可能性もあります。

さて、準備は整い、予測分析の導入が現実的なこととなりました。あとは最適なツールを選択するだけです。もしもそれだけで成功する自信が持てない、そんな時には、優秀なパートナーがおりますので、ご安心ください。