オーストラリアの大手保険会社HBF マーケティング戦略を柔軟に展開できるMA基盤を構築
HBF Health Limited(以下、HBF)は、100万人以上の顧客を有するオーストラリアで4番目に大きな保険会社です。HBFでは、景気低迷や医療費の増加、さらには保険会社間の競争が激化する中、顧客獲得や顧客満足度の向上といった課題に直面していました。こうした課題解決のために、2017年1月にオラクルのマーケティング・オートメーション( MA )プラットフォーム「Eloqua」を導入。MarketOneは、その導入から運用までの一連のプロセスを支援し、当初の計画より4カ月早くMAを活用した新たなマーケティングアプローチを実践できる体制を整えました。
営業とマーケティングが連携した プロジェクトチームで MA 導入を推進
当初、HBFのマーケティングチームが目指したのは、顧客のさらなる獲得と加入者の離脱率の最小化でした。それを実現するためには、様々なチャンネルで潜在的な顧客や加入者にアプローチしてコミュニケーションを促進するMAの構築が不可欠でした。
しかし、このようなMAは簡単に構築できるものではありません。そこで、MarketOneは、まずHBFのマーケティング責任者・Allan Byrne氏と協力し、MarketOneとHBFのマーケティングチームのメンバーで構成されるプロジェクトチームを発足しました。
チームには、IT、ビッグデータ解析、法務、営業、マーケティングのスペシャリストが参画。特に営業部門とマーケティング部門との連携を図りながら、MAの導入から運用までの詳細な計画を立案し、その計画に基づいて定期的なミーティングを実施しました。そして、プロジェクトの進捗状況を常にアップデートし、その内容をチーム全体で共有することで、「柔軟で透明性のある」のプロジェクトマネジメントの枠組みを構築しました。
まずは「情報を整え」、「適切な時期」に 「適切なコミュニケーション」を展開する
MAの導入にあたってHBFが目指したのは「顧客との関係性」の深化でした。顧客が新規に保険への加入を決断する、あるいは保険の切り替えを考えるといった「重要な時点」に到達したタイミングを把握したり、予測したりすることで、顧客満足度をより向上さることが可能となります。そのためには、顧客の属性情報や契約に関する情報など、MAで活用するデータを「いかに正確に整備し」、「どう活用するか」を明確にすることが大切になります。そのことによって、顧客に対し「適切な時期」に「適切なコミュニケーション」を実施することが可能となるのです。
そこで、 まずは、顧客の保険への加入プロセス、加入後の顧客管理の状況を正確に理解するために全体的な「顧客の流れ図」を作成しました。MarketOneでは、顧客の流れ図や顧客管理のデータをもとに顧客セグメントをより精緻に識別し、将来的に顧客との間で発生するコミュニケーションを想定し、それらを管理できるようにデータを整備するための支援をしました。
PDCAを実践できる体制を整え 敏捷なマーケティングアプローチを実現
MAは、導入してからいかに運用していくかも重要です。自社に合った運用スキームを定め、キャンペーン施策の実施と測定・分析を行い、さらにブラッシュアップしていくことが必要です。
HBFでは、MAの運用に関わる部署間の協業を通じ、迅速に市場ニーズに合わせたキャンペーン施策を展開。さらに、施策を効果測定する仕組みも構築し、想定した效果の得られないキャンペーン施策については、速やかに戦略を変えることも可能になりました。トライ&エラーを含むPDCAサイクルを実践することで、「敏捷なマーケティングアプローチ」を展開できるようになりました。
HBFのマーケティングおよびコミュニケーション本部長・Neil Le Febvre氏は、「私たちは既存の顧客が最高の満足を感じ、新しいチャンスをつかむことができるように、自らも変革することを決断した」と述べています。
HBFの事例は単にMAを導入しただけにとどまりません。MAツールの活用に不可欠なデータの整備からPDCAの実践までをMarketOneが支援しました。それにより、HBFは、効果に応じて戦略を変えていく柔軟なマーケティングアプローチを展開できるMA基盤を構築したのです。